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【リリース】FUKUYAMA CITY GROUP 2024シーズン 業績レポートについて

 平素より、福山シティフットボールクラブの活動に多大なるご理解とご支援を賜りまして誠にありがとうございます。

 この度、福山シティフットボールクラブを運営しております運営法人(隆旗株式会社及び一般社団法人福山シティクラブを称して「FUKUYAMA CITY GROUP」とします)の2024シーズン業績報告をさせていただきます。


◾️所信表明・経営数値に関する分析

まずはじめに、FUKUYAMA CITY GROUP 全体の業績報告として、総収益 38,700万円(対前年比 108.5%総支出 43,700万円(対前年比 140.0%経常利益 -4,990万円自己資本比率 5.5%での着地となりました。

トップチームのカテゴリーは変わらずも、毎年売上を伸ばし続けることができているのは、常日頃より支えてくださるパートナー企業様及び各種関係団体様、どのような状況下においても共に闘ってくださるファン・サポーターの皆さまのおかげです。改めまして心より感謝申し上げます。

しかし、2024シーズン。JFLへ昇格するために背水の陣で挑んだ結果、総収益4.5億円を目指してクラブ一同努力を重ねてまいりましたが、結果として約5,000万円の単年度赤字着地となってしまいました。Jリーグのクラブライセンス規定を考慮すれば、3期連続での赤字はクラブライセンスを失うリスクがあるため、深く反省する次第です。しかし、ポジティブに捉えれば、今はまだJクラブではないからこそ、キャッシュフローを優先させながら、赤字覚悟で思い切った挑戦と投資ができると思っています。単年度赤字は覚悟の上ではありましたが、赤字は赤字であり、経営者である私の責任です。当初の想定総収益目標から大幅に乖離が生じたことに関しまして深くお詫び申し上げます。

トップチームは、中国社会人リーグを4連覇するも、全国地域チャンピオンズリーグは4年連続で敗退し、JFL昇格を逃す非常に悔しいシーズンが続いています。このカテゴリーでの挑戦を冷静に分析した答えが、苦しくも険しい道のりをいかに耐えて挑戦を続けるかの体力戦(経営体力)だと捉えています。いかに耐え凌ぎ、未来に活力を見出して種まきを続けれるかが鍵だと位置付けており、翌シーズンもブレーキを踏むのではなく、自信を持って未来に向かってアクセルを踏む経営を心掛けて参る所存であります。

赤字だけ見ればマイナス要因ではございますが、毎年の売上向上、スポンサー割合を下げた自走経営の強化、地域での知名度の向上など、これらの根は深く広がり、やがて巻いた種が収穫され、綺麗な花として咲く答え合わせをできるのは、JFL昇格後の未来しかありません。苦しくも耐えるシーズンが続いておりますが、しぶとく踏ん張り続ける経営を実施してまいりますので変わらぬご支援、ご声援を何卒よろしくお願い申し上げます。

福山シティフットボールクラブ
代表 岡本 佳大

 


◾️業績ハイライト




◾️PLサマリー



◾️損益総括・要約PL



◾️広告料収益に関する内訳と数値分析

クラブが自走できるまでとの時限的な大口パートナーとの契約が切れたことなどにより、2024.1期 1億5,041万円の広告収入が2025.1期は約10.5%減の1億3,466万円と落ち込みました。しかし、パートナー企業数は堅調に伸びていることから、進行期の広告収入は増加を見込んでいます。

【トップチーム強化費の増加について】
選手保有人数が過去最大数(GK4人体制+夏の補強で外国人選手含めて2選手増員)と、プロ契約選手を増やすなど、トップチーム人件費を前年より+2,000万円予算を増やして挑みました。


◾️入場料収入と試合関連運営費に関する数値分析

通常のJリーグクラブ経営と違うのが、年間のホームゲームは僅か9試合しかない中で、すべて無料試合(=入場料収入が0円)であり、「入場料収益」や「放映権収入」が入らず、興業としてマネタイズできないのが経営を圧迫している要因でもあります。
オーソドックスなファンマーケティングは、さまざまな施策によってファン・サポーターを増やし、試合を観に来ていただいて、また再来場を促し・・・。
しかし、私たちの場合は、試合を観に来ていだいても直接的な収益化につながりません。むしろ、ホームゲームにおける演出を凝れば凝るだけ試合運営の項目は単体赤字になります。

【観客動員数の減少について】
これまで順調に伸ばし続けてきた観客動員数が、昨年平均を下回る結果となりました。その理由を下記の通り分析しております。

 ①災害級の猛暑の影響により、夏場の観客動員数が減少した
→キックオフ時間が昼間14時キックオフゲームの試合が多かった

 ②集客試合の悪天候
→年2試合と限られた竹ヶ端運動公園陸上競技場の試合時、開幕戦、通常のホームゲーム時に雨の影響によって観客数が減少した

 ③勝利慣れ
→リーグ戦は「どうせ勝てるだろう」の空気感が少なからず蔓延している

これらの状況を踏まえ、2025シーズンは夏場の試合時は夕方以降のキックオフにリーグとして舵を切る運びとなりました。
しかし、②の悪天候に関してはコントロールできるものではないため、将来的な新スタジアムの全席屋根付きとする検討を進めてまいります。
また、③勝利慣れに関しては、ライトファン層の獲得を意識した演出や、集客試合にコミットすることで、昇格後の動員につながるような地道なアプローチを続けてまいります。


◾️ホームタウン活動(地域貢献活動)実績


私たちはノンフットボールビジネス戦略として、サッカーの試合を観に来ていただくだけではなく、自ら地域に出て、いかに市民の皆さまの日常とライフスタイルに触れて、そこから新しいマネタイズポイントを模索して収益化するかが重要だと思っています。その結果、2024シーズンのホームタウン活動(地域貢献活動)数は過去最多の92回実施。
地元の新聞でスポーツ欄を狙うのは現時点では難しい実態があります。メディア戦略も方向転換し、カープ、サンフレッチェ広島、ドラゴンフライズの中に食い込んでいくのではなく、よりローカルな「備後版」での取材を狙って露出を増やす戦略へとシフトしました。
また、FM広島の人気番組「ゴッジ」に福山シティFCのJリーグ参入を応援するコーナーを持ち、夕方の移動中の方に対して耳からの認知拡大を図る広報戦略もスタートしました。
このような地道な取り組みと戦略によって、着実にホームタウン内外での認知度が増えています。福山市内で認知度調査をした結果、約6割の方に知っていただけているという結果でした。
引き続き、スポーツを通じて夢を与え備後福山の活力ある未来創生に尽力して参ります。


◾️見えない価値と資産


1.部活動を丸ごとアウトソーシング / シンブカツプロジェクト
英数学館高校のサッカー部を再始動させ、「運営・発掘・育成・強化」をすべて福山シティFCへとアウトソーシングし、学校は得意とする領域(教学面・キャリア指導面等)にリソースを集中させる日本初の取り組みです。
双方の強みを活かすパートナーシップをベースに、部活動の地域移行に向けた「持続性を担保した新たなモデル」として社会課題の解決と新時代の部活動(シン・ブカツ)の理想形を追求します。
2024年、1年生のみで挑んだインターハイ広島県予選でベスト16に進出する快挙を達成しました。


2.エヴォルヴィンフットボールフィールドの稼働率が85%を達成
2023年7月より運営を開始しており、トップチームからアカデミーまでが練習や試合を行う活動拠点として利用しつつ、一般貸出も行っております。年間約30万人が来場されており、地域の健康にも寄与する「みんなのグラウンド」として今後も活動してまいります。

 


3.広島県府中市と包括連携協定締結
地域に根差し、スポーツビジネスを展開していく上で欠かせないのが自治体との連携です。
福山市、神石高原町・株式会社MSERRNT、福山市立大学に続き、2024年5月21日に広島県府中市と包括連携に関する協定を締結いたしました。


4.指定管理事業の開始
事業面でも着実な取り組みが実績として積み上がってきています。
広島県府中市にある府中市上下運動公園(現・TTCスポーツパーク上下)と、神石高原町にある油木スポーツ広場(現・MSERRNTフィールド)の指定管理施設の二つ施設の委託を受けることができました。それは、公的な存在と透明性ある経営をお認めいただけた証だと自負しております。


5.SDGsプロジェクト
“可能性は無限大”を合言葉に、行政やパートナー企業の皆さまと手を取りあって地域が抱える課題を解決に導く「社会貢献プロジェクト」です。
私たちの活動エリアである福山市を中心とした備後地域にアクションを続けることで、子どもたちの可能性を広げ、より良い未来の実現を目指しています。
学校現場において「体育備品が足りない・傷んだ(古い)備品を使っている・備品を購入する予算がない」という課題を、行政・福山シティFC・企業様で連携をした寄附スキームにより解決を目指す取り組み。



次年度の新たな取り組みとして、
今までよりも一層、透明性ある経営を目指し、日本国内のサッカークラブとしては初の統合報告書の作成に挑戦いたします。

◾️過去の業績レポート一覧

◾️2023シーズン業績レポート

◾️2022シーズン業績レポート

◾️2021シーズン業績レポート

以上