平素より、福山シティフットボールクラブの活動に多大なるご理解とご支援を賜りまして誠にありがとうございます。
この度、福山シティフットボールクラブを運営しております運営法人(隆旗株式会社及び一般社団法人福山シティクラブを称して「FUKUYAMA CITY GROUP」とさせていただきます)の2023シーズン業績報告をさせていただきます。
◾️所信表明・経営数値に関する分析
JFL昇格、その先のJリーグ参入に向けた新たなる挑戦へ
まずはじめに、FUKUYAMA CITY GROUP 全体の業績報告として、総収益 3億5,700万円(対前年比 251.1%)、総支出 3億1,200万円(対前年比 250.6%)、経常利益 4,450万円(対前年比 800.6%)、自己資本比率 15.8%で着地することができました。いずれも増収増益で大変堅調に推移することができているのも、常日頃より支えてくださるパートナー企業様及び各種関係団体様、どのような状況下においても共に闘ってくださるファン・サポーターの皆さまのおかげです。改めまして心より感謝申し上げます。
就任当初より「スポンサーに頼らない自走できる経営」を心がけてまいりましたが、ようやく蒔いた種が実り始めたことを強く実感しています。企業版ふるさと納税やSDGsプロジェクトを活用した地域創生事業、昨年竣工した民設民営グラウンド事業、シン・ブカツPJ事業、社内DX化による業務効率改善、株式会社と一般社団法人によるハイブリット経営など、今までのプロスポーツクラブの常識を覆す新時代のスポーツビジネス戦略へ一歩近づいたと自負しています。
一方、トップチームを運営する隆旗株式会社単体では、約1,400万円の赤字となりました。これは、2022シーズン中国社会人リーグ参入初年度で地域CLを突破し、JFL昇格を目指しましたが予選ラウンドで敗退した結果を受け、2023シーズンは赤字覚悟でトップチーム人件費を昨対1,900万円アップして背水の陣でJFL昇格に挑みましたが、無惨にもあと一歩のところで力及ばず昇格することはできませんでした。
右肩上がりの業績は支えてくださる皆さまとクラブスタッフの成果であり、赤字は経営者である私の責任です。JFL昇格は、福山シティFCファミリーの悲願であるとともに、この財務状態を正常化させ今シーズンこそJFL昇格を果たし、業績も黒字化することを肝に銘じてこれからも走り続けます。
◾️業績ハイライト
「FUKUYAMA CITY GROUP」について
福山シティFCを株式会社と一般社団法人に分社化させてハイブリット経営を行なっております。
その理由として、今までは非営利型の一般社団法人で運営してまいりましたが、Jリーグライセンスを取得するにはサッカークラブ運営を主たる株式会社での経営が必須となります。
昨シーズン半ばからトップチームは株式会社で運営し、その他アカデミーや施設運営等は今まで通り非営利型の一般社団法人にて運営してまいります。
・隆旗 株式会社(Ryuki Co.,Ltd.):トップチーム運営
・一般社団法人 福山シティクラブ(Fukuyama City Club):アカデミー・サッカースクール・運動教室・ソサイチクラブ・グラウンド運営 等
◾️広告料収益に関する内訳と分析
広告料収入は、昨対+35,561千円と増収することができました。
その要因は、トップチームがJFL昇格を逃したものの、「次こそ共にJFLに昇格しよう」と契約延長及び増額いただけるパートナー企業様が多くいてくださったことに、クラブ一同、大変胸が熱くなりました。
そして、Evolvin FOOTBALL FIELD が新設したことにより、新たに販売できる広告枠ができた点も増収の要因に挙げられます。
また、地元企業様を中心に、新規パートナー契約を締結いただける企業様が+43社と多くの皆さまにご支援いただける運びとなりました。
ご支援をいただいている企業様(282社)のエリア割合が、福山市内 81.2%、備後エリア 91.1%、広島県内 95.0%と、地域密着型の市民クラブとしてクラブの熱い想いが地元企業様に届いている証だと自負しております。
今後は、福山市をホームタウンとしてより強固な関係性を構築しつつも、備後エリアに活動エリアを広げ、福山駅から半径30km圏内をマーケットとして広域的な活動を展開してまいります。
今シーズンも2023シーズン以上の業績を目指すことはもちろん、チームとしても獅子奮迅の如く、牙を剥いてJFL昇格を掴み取る気概で臨んで参りますので、どうか引き続きのご高配、そしてご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
◾️収益科目に関する分析
収益科目に関する数値分析として、大きなポイントが二つあります。
まず一つ目が、広告料収入は増収(昨対+35,561千円)にも関わらず、収益割合を昨年の80.8%から42.1%まで落とすことに成功したことが挙げられます。現カテゴリーは、チケット収入やJリーグからの分配金がなく、どうしてもパートナー企業様に支えていただき、スポンサー収入に頼らざるを得ない経営状況が続いておりました。しかし、スポンサー収入に頼らない自走できる強固な組織にするため、新たなキャッシュポイントの構築に向けてコツコツと仕掛けてきたことが功を奏しつつあります。
それが二つ目の「その他収入」を大きく増収(昨対+156,293千円)できたことが挙げられます。その要因として、上記にも記述しました通り、新たなキャッシュポイントとなる企業版ふるさと納税やSDGsプロジェクトを活用した地域創生事業、昨年竣工したEvolvin FOOTBALL FIELD(民設民営グラウンド)の運営事業です。これらの新たな収入源をより成長させていくとともに、更なる収入源の柱の構築に力を入れてまいります。
また、Evolvin FOOTBALL FIELD の建設に際し、総事業費 3億3,700万円に対して、4億4,300万円(内訳:金融機関融資 2.7億・リース 7,800万円・企業版ふるさと納税 8,000万円・クラウドファンディング 535万円)の資金調達に成功しました。クラブ全体の事業規模を超える資金を調達できたことは、大変自信につながり、この信用をこれからも大切にしていきたいと存じます。また、余力資金に関しましては、安定的かつ、持続可能なグラウンド運用に充てさせていただいております。
◾️ホームゲーム 観客動員数に関する分析
2023年7月に福山通運ローズスタジアムで開催されたホームゲームでは、昨年同会場での観客動員数2,731人を大幅に超える3,889人(昨対比+1,158人)を動員をすることができました。この動員数は、2023シーズンの地域リーグの中でも「日本一」を誇る動員数となりました。マッチデーパートナーを務めていただいた各企業様にも動員協力いただいたことや、パートナー企業の社員・ご家族様にもご来場いただけたことが増員に繋がった要因と考えます。
しかし、クラブのKPIは5,000人動員だったため、2024シーズンに改めてリベンジを果たしたいと思います。
入場料無料というアドバンテージがありつつも、1試合平均観客数を毎シーズン順調に増員しており、2023シーズンは1試合平均1,000人を超えるお客様にご来場いただくことができました(FY2023:1試合平均1,185人/昨対比119.9%)。
そして、新たなマーケティングの取り組みとして、ご来場者アンケートを実施し、2回目・3回目の来場促進に繋げる取り組みを行なっています。
また、ファンクラブ会員様にもご協力いただき、ファンクラブ会員様のご紹介があれば、ピッチ内観戦いただける「+1施策」も実施しました。
SNSを活用した空中戦と、小中学校や企業訪問でのPRやチラシ配布などの地上戦をバランス良く併用しながら、JFLからの有料試合に向けた準備を引き続き整えて参ります。
最後になりますが、まちを歩いていると「応援してるよ、頑張ってね!」とお声をかけていただく機会がとても増えました。それは、ただ知っているサッカーチームから、応援される対象に入ってきたのだなと強く実感しています。これからはその応援の輪をさらに広げて「備後福山の誇り」になれるよう、これまで以上に地域密着の精神を持ち、スポーツを通じて活力ある備後福山の未来創生に貢献してまいります。今後とも福山シティフットボールクラブを、何卒よろしくお願い申し上げます。
代表 岡本 佳大
以上